Concept
怪獣ともののけがいま融合する
「もしもウルトラ怪獣たちが 、
555年前の日本にもあらわれ、
その記録が絵巻として残っていたら・・・?」
もののけアーティスト・谷村紀明が、そんな空想を膨らませながら、ウルトラマン放送55周年記念作品として創作したのが 「ウルトラ怪獣もののけ絵巻」です。
1966年に初放送された『ウルトラQ』、『ウルトラマン』。両作品に登場する約80体もの怪獣たちが“もののけ”に姿を変え、10m以上にも及ぶ絵巻の中を大行進。自然素材から生み出された特殊な画材によって描かれた前例のないスケールのアート作品が誕生しました。
ガラモン
日本古来の「もののけ」と、世界に誇る「怪獣」が融合した新解釈のアートプロジェクトです。
可愛らしいけど、ちょっと怖そう。
懐かしいけど、どこか新しい。
絵巻の世界を生き生きと闊歩する
怪獣たちの息吹を、ぜひ間近でご賞見ください。
ガボラ
MOVIE MOVIE
PRODUCT
地球に還る生きた絵巻アート
絵巻に使われている素材は、縄文時代から自生し日本の神事などでも使用され続けている真菰(マコモ)を原料とし、作者の谷村自身が紙漉きの段階から真菰の繊維やパウダーの調合にいたるまで何度も試作を積み重ね、こだわり抜いて制作した、世界にたった一つの特別な和紙。
紙漉き
さらに画材は主に、マコモが浄化した天然の泥を墨で溶いたインクを使用。そこへ鉱石を原料とした岩絵具や、縄文土器の小片の細粒と表面に付着した泥を採集し粉末化して練った顔料を用いて着色。筆の柄には“雷の化石”と呼ばれるフルグライトを用いるなど、自然から生みだされた素材を選別し駆使した、すべてが地球に還る「生きたアート」です。
縄文土器の欠片をすりつぶした粉末
自然や風土、文化の継承をテーマとして作品づくりに取り組むもののけアーティスト・谷村紀明が、大地に宿る精霊たる怪獣たちへの畏敬の念を込めて揮毫しました。

素材協力: 信州立岩 和紙の里
雷筆
ARTIST
谷村紀明
もののけアーティスト
谷村紀明
Noriaki Tanimura
1988年、京都生まれ。東京在住。
すべての“もの”や“こと”に含まれるエネルギー、自身のアイデンティティや空気感を作品に表現。自然や風土、文化の継承などをテーマとした、もののけアートを創作し活動。 広告芸術誌『Lurzer’s ARCHIVE』の「世界ベスト200イラストレーター」に選出。『ウルトラマン55周年記念 ウルトラ怪獣もののけ絵巻』ほか、『Pokémon Battle Festival Asia 2021』 キービジュアルアート、カプセルトイ『てんぷら妖怪』などを手がける。
<出展歴(抜粋)>

MONSTER Exhibition 2017/渋谷ヒカリエ、NY

ART BOOK OF SELECTED ILLUSTRATION Monster/冊子掲載

Lürzer’s ARCHIVE 200 Best Illustrators worldwide 18/19

日本×ポーランド 国交樹立100周年記念 藝展/京都 清水寺 圓通殿

3rd Christmas Art Competition in YOKOHAMA

やんばるアートフェスティバル 2018/沖縄 大宜味村立旧塩屋小学校

COPIC AWARD 2019 次世代アーティスト賞 審査員

長野 戸隠もののけ祭り のぼり展示

トリドール(丸亀製麺本社)で初の個展開催

TENOHA DAIKANYAMA 跡地アートフェアイベント

長野 戸隠 鏡池どんぐりハウスにて個展 など

STAFF
企画協力 ・ プロデュース
クリエイティブチーム
操演と機電
Creative Team SOEN TO KIDEN
特撮リスペクトバンド・科楽特奏隊のメンバーでもあるナカムラリョウとタカハシヒョウリによるクリエイティブユニット。豊富な特撮知識と怪獣愛を活かして絵巻制作をアシストするとともに、企画全体のプランニングに関わる。
コンテンツ制作
INFINITY STYLE LOGO
HONNOW LOGO

※2021年10月〜11月「ウルトラマン55周年記念 ウルトラ怪獣もののけ絵巻展」(会場:Shina銀座ギャラリー)開催時にいただいたコメントです。

ウルトラマンと戦った怪獣や宇宙人たちが日本古来の姿でよみがえって楽しい展示です。
僕が演じたケムール人やラゴンもいるのでご覧ください。
古谷 敏(俳優 / ウルトラマン 初代スーツアクター)
懐かしのウルトラ怪獣たちが魑魅魍魎となって甦りました。
これは古くも新しい。独特のアレンジにニヤリとさせられます。
三池敏夫(特撮美術監督)
ウルトラ怪獣を既成概念から解き放ち、新しい角度から「もののけ」の本質を捉えるこの試み。改めて「あっ、こういう怪獣なのか」と目を開かされ、感激しました。筆致、画題、紙質から画材まで、こだわり抜いた心意気に震えます!
氷川竜介(アニメ・特撮研究家)
『ウルトラ怪獣もののけ絵巻展』のご案内をいただいた時、思い浮かんだのは、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師・河鍋 暁斎の「暁斎百鬼画談」という作品です。室町時代から多数の絵師によって描き継がれてきた「百鬼夜行絵巻」を、人気絵師・暁斎が独自の解釈で妖怪、鬼、付喪神が行進するさまをユーモラスに描いた晩年の作品です。
ところが、展示を目にした時に吃驚したのは、想像以上に怪獣たちが、まるで数百年前の作品かのように、ごく自然に描かれていた点でした。とても21世紀に描かれたものだとは思えません(褒め言葉です)。
もちろん、これらのオリジナルを産み出した、デザイナー・成田亨と怪獣造形師・高山良策の力量もあるのですが、それを見事に翻案し、絵巻として描き出した作家・谷村紀明氏の技術の素晴らしさに感動しました。日本古来の伝統と近代日本が産んだ怪獣という存在の融合がそこにあったからです。巧い絵は、何度も見ても飽きることがありません。また、どんなに優れた印刷技術を持ってしてもオリジナルに優るものはありません。まさに眼福です。
岸川 靖(編集者)
デザイン面で既存の生物の概念を超え日本独自の怪獣のイメージを生み出したウルトラQ・マン怪獣、漫画的表現が古来より日本文化が持っていた感性だと感じさせる鳥獣戯画、その両者が融合したような『ウルトラ怪獣もののけ絵巻』には、怪獣デザイナーであるとともに漫画家でもある私としては、シンパシーを感じるとともに、アートとして素材まで徹底したこだわりに感嘆するばかりです。その実物からは形に表れる以上の歴史的肌触りが感じられ、55周年を迎えたウルトラ怪獣たちが、より古い歴史的存在に近づいた感覚、そしてさらなる歴史を重ねていく未来にまで思いを馳せることもできました。あと、ソフビ好きの私としては今回限定のソフビ人形たちも魅力的です。
西川伸司(漫画家・キャラクターデザイナー)